マンションの大規模修繕工事｜リニューアルとリノベーションの違いは？

• マンションの小規模・中規模・大規模修繕におけるリニューアルとリノベーションの違いとは何？
• リニューアルとリノベーションにかかる費用についても知りたい！

マンションは多くの方々が住む場所のため、安全かつ快適に過ごせる環境を維持する必要があります。

そのために、約10〜15年に一度の頻度でマンションの大規模修繕工事を行います。

大規模修繕工事の内容は外壁の修繕をはじめ、床防水の工事・各種パイプの交換・廊下や階段の修理などさまざまです。

そのなかでも修繕や改装を表す言葉として、リニューアルやリノベーションといったものがあります。

同じような工事をするように見えますが、内容は少々異なります。

マンションの大規模修繕工事にあたり、言葉の違いや内容について理解しおくことは大切です。

そこで今回は、マンションの大規模工事におけるリニューアルとリノベーションの違いについてご説明いたします。

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マンションに欠かせない大規模修繕はどんな工事？

マンションの大規模修繕工事は、通常の修繕より規模が大きく手間や時間もかかります。

そのため大規模修繕工事の依頼にあたって、どのような内容工事があるのかを知っておく必要があります。

工事の種類としては、下記の内容が挙げられます。

マンション大規模修繕工事とリニューアル・リノベーションの関係

広範囲にわたる規模の工事内容をまとめて行うため、マンションの大規模修繕工事とリニューアルやリノベーションには密接な関わりがあるといえます。

大規模修繕工事によって外壁の修繕・防水工事・パイプや設備の交換・エレベーターの修理などを行い、現在使用している設備を長く使い続けるための施工を行います。

それだけではなく、マンションの空室が出ないよう居住し続けてもらうために、リニューアル工事によって現代の生活にマッチした居住空間を提供することが可能です。

また内容によっては、より洗礼された機能性や美観を追加することで、生活しやすさや資産価値を高めるためのリノベーション工事も行えます。

建物の外観や内部の仕様がきれいになると、居住者の方も安心して過ごせるだけではなく、今後の入居を考えている方にとっても魅力的な印象を与えられるでしょう。

長く愛着を持ちながら快適な生活拠点として住み続けてもらうためにも、修繕に加えてリニューアルやリノベーションを行うと良いでしょう。

マンションのリニューアルとリノベーションの違い

店舗や戸建てのように、マンションにおいてもリニューアルとリノベーションは「現在使用しているものを刷新する」という点で似た言葉として認識されています。

しかし、似た言葉であっても内容は少々異なるため、違いを理解しておくことが大切です。

下記では、リニューアルとリノベーションにおけるそれぞれの詳細についてご紹介いたします。

リニューアル工事とは

古くなったものを更新・改装・再開発することを、リニューアルといいます。

リニューアルを行うことで、原状を回復させながら性能やデザイン性を高めることができます。

一般的にリニューアルの目的は、以下の通りです。

また、マンションの大規模修繕工事におけるリニューアルでは、下記の内容が該当します。

• 外壁の修繕工事や防水工事
• 屋根や屋上の防水工事
• 給水管パイプの交換
• 断熱材の追加
• キッチンやバスルームの更新
• エレベーター設備の刷新
• 舗装や塀などの外構設備の補修
• 鉄部における塗装剥離部やさび部の塗装
• 畳からフローリングへの変更

リノベーション工事とは

リノベーションは「修復・刷新」という意味があり、既存の建築物を改修して資産価値を高めることを表します。

建物の外観や構造は大きく変えず、内部を改修するのが特徴です。

間取りの変更・内装の一新・配管設備の変更などが主な改修内容で、リニューアルよりもやや大がかりなイメージです。

リノベーションを行う目的としては、下記の内容が挙げられます。

また、マンションのリノベーションを行う場合は、下記のような工事が該当します。

• 間取りの変更
• システムキッチンをはじめとする設備の刷新
• クロスをはじめとする内装の刷新
• 耐震補強
• 手すりやスロープなどのバリアフリーの導入

リニューアルとリノベーションの違い

上記の違いを踏まえると、修繕は「リニューアル」改修は「リノベーション」という認識です。

マンションにおける大規模修繕工事は、約10〜15年に1回のペースで行われます。

大規模修繕の回数・築年数・耐用年数によって工事の内容は変わるものの、その時々に応じたリニューアルとリノベーションを組み合わせて行います。

リニューアルとリノベーションの主な違いを表にまとめると以下のようになります。

リニューアルは建物の機能を回復させ価値を維持するのに対し、リノベーションは建物の用途変更や大規模な改修により、新たな価値を創出することができます。

大規模修繕工事でリニューアルやリノベーションをするメリット

大規模修繕工事では、さまざまな工事が行われます。

その際にリニューアルやリノベーションを行うことによって、どのようなメリットがあるかご存じでしょうか。

メリットとしては、下記の内容が挙げられます。

建物の耐久性を高める

リニューアルやリノベーションにより、建物の耐久性を高めるうえで下記のような効果が期待できます。

• 屋根・屋上・床などに防水工事を施すことで、雨漏りを防いで建物の耐久性を高める
• 給排水設備や電気設備を更新することで、建物の耐久性を向上させる
• タイルの剥離・塗装の剥がれを未然に防ぎ、建物の美装性を保つ

居住者の安全性を向上させる

リニューアルやリノベーションにより、居住者の安全面に下記のような効果が期待できます。

• バリアフリーの導入により高齢者や障がいを持つ方の移動がスムーズになる
• カメラ付きインターフォンや防犯カメラなどの防犯設備を導入することで、盗難をはじめとする犯罪を未然に防ぐ

住環境における快適性を向上させる

リニューアルやリノベーションにより、居住者の住環境に下記のような効果が期待できます。

• 断熱材の追加によって建物の断熱性や気密性を高め、過ごしやすい環境を実現する
• キッチンやバスルームなどの設備を更新することにより、居住者が快適な生活を送れる
• 外装や内装のデザインを刷新することで、入居者の住環境への満足度が高まる

資産価値を向上させる

リニューアルやリノベーションを施すことで、資産価値の向上において下記のような効果が期待できます。

• ライフスタイルやニーズに合わせた住環境の提案ができる
• 魅力的な建物として入居希望者が増える
• 建物に必要な設備を更新することで建物の付加価値を向上できる

リニューアルとリノベーションを行うことによって、建物の耐久性を高められる・居住者の安全性を向上できる・住環境における快適性を向上できる・資産価値の向上など、さまざまなメリットを得られます。

大規模修繕は定期的に行われますが、その都度リニューアルやリノベーションによってどのようなメリットを得られるか、考えながら計画を立てていきましょう。

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リニューアルとリノベーションにかかる費用

リニューアルやリノベーションを検討する際、どのくらいかかるのか気になりますよね。

幅広い工事の種類がありますので、これからどのような工事が必要になるのか把握していると安心です。

リニューアルやリノベーションの工事は、主に以下の内容があります。

• 内装工事...床材・クロス・照明の変更、キッチン・浴室・トイレなどの交換や修繕
• 設備工事...エアコン・換気扇・給湯器などの交換や修繕
• 間取りの変更...壁や床の解体・新設、ドアや窓の移動
• 構造変更...耐震補強・梁や柱の増設および撤去

使用する資材・施工する箇所・施工会社・築年数により、かかる費用は異なります。

築年数が長い建物は工期が長引く場合があり、期間が長いほど費用の準備が必要です。

施工箇所ごとの大まかな費用は、下記の通りです。

マンションの大規模修繕でよくある質問

Q

大規模修繕工事は何年周期？

A

マンションの大規模修繕工事は、長期修繕計画に基づいて実施されるものであり、通常は25～30年の長期的なスパンで考える必要があります。

一般的には、12年ごとに大規模な修繕工事を行うのが目安とされています。

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マンション大規模修繕工事周期は12年が目安？15年・18年で行うメリットも解説

Q

リニューアルとリフォームの違いは何？

A

リニューアルとリフォームはどちらも建物の改修を指しますが、リニューアルは主に機能や性能の回復・向上を目的とし、リフォームは目的や好みに合わせた変更を加えることを指します。

リニューアルは設備の交換や内装の張り替えなど比較的小規模な工事が中心ですが、リフォームは間取りの変更や大規模な設備の更新など、より大がかりな工事を伴うことが多いです。

項目	リニューアル	リフォーム
目的	機能や性能の回復・向上	目的や好みに合わせた変更
工事内容	・設備の交換 ・内装の張り替えなど	・間取りの変更 ・大規模な設備の更新など
工事規模	比較的小規模な工事が中心	大がかりな工事を伴うことが多い
費用	比較的低額	高額になる傾向
工期	比較的短い	長くなる傾向
建物の価値	機能や性能の回復・向上により維持される	大幅に向上する可能性がある

Q

大規模修繕とリフォームの違いとは？

A

大規模修繕とリフォームの主な違いは、目的と工事内容にあります。

大規模修繕は、建物の性能や機能を維持・回復することを目的とし、外壁や屋上防水、設備などの修繕・交換を行います。

一方、リフォームは、居住者の目的や好みに合わせて建物の性能や機能を変更・向上させることを目的とし、間取りの変更や内装の刷新、設備の更新などを行います。

大規模修繕は管理組合が主体となって計画的に実施するのに対し、リフォームは個人の判断で行われることが多いです。

項目	大規模修繕	リフォーム
目的	建物の性能や機能の維持・回復	居住者の目的や好みに合わせた変更・向上
工事内容	- 外壁の修繕 - 屋上防水の修繕・交換 - 設備の修繕・交換	- 間取りの変更 - 内装の刷新 - 設備の更新
実施主体	管理組合	個人
実施時期	計画的に実施	個人の判断で実施
費用負担	管理組合（修繕積立金）	個人
工事期間	比較的長期	比較的短期
建物全体への影響	大きい	部分的

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マンションの大規模修繕工事とリフォームの違いとは？費用や周期について解説

Q

大規模修繕はどこまで対象になる？

A

大規模修繕の対象範囲は、建物の共用部分を中心に、以下のような項目が含まれます。

大規模修繕の対象範囲	具体的な項目
建物の躯体・構造部分	基礎、柱、梁、床、屋根など
外装部分	外壁、バルコニー、屋上、屋根、階段、廊下など
設備関係	電気設備、給排水衛生設備、エレベーター設備、消防設備など
その他の共用部分	集会室、管理事務室、ゴミ置き場、駐車場、駐輪場など

ただし、専有部分（各住戸内）は、原則として大規模修繕の対象外となります。専有部分の修繕や改修は、区分所有者の責任で行うことになります。

また、大規模修繕の具体的な対象項目や範囲は、建物の状況や管理組合の方針によって異なる場合があります。

管理組合は、長期修繕計画を作成する際に、建物診断を行い、修繕の優先順位や対象範囲を検討する必要があります。

まとめ

大規模修繕工事における、リニューアルとリノベーションについては、下記の内容が挙げられます。

• リニューアル
  原状回復を目的として、デザイン性や機能性を高める修繕を行う工事のことです。
  リニューアルで行う工事の内容は、外壁の修繕工事・防水工事・給水管パイプの交換・外構設備の補修・鉄部の塗装・断熱材の追加などが挙げられます。
• リノベーション
  年数の経過とともに落ちやすい資産価値を高めるための改修工事です。
  リノベーションで行う工事の内容は、間取りの変更・システムキッチンをはじめとする設備の刷新・クロスをはじめとする内装の刷新・バリアフリーの導入・耐震補強などが挙げられます。
• リニューアルとリノベーションを行うメリットや費用
  リニューアルとリノベーションには、建物の耐久性・居住者の安全性・住環境快適性・資産価値などを向上させられるメリットがあります。
  またリノベーションの方がリニューアルよりも大掛かりな工事になるため、その分の費用が多くかかります。

マンションの大規模修繕工事では、リニューアルとリノベーションを行うことで、快適性や価値を維持できます。

しかし、リニューアルやリノベーションには内容に違いがあるため、その点を踏まえたうえで施工を計画することが大切です。

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