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大規模修繕

建物の劣化の種類と原因|建物劣化診断の目的や内容、費用についての解説

  • マンションの大規模修繕工事前に建物劣化診断をした方がよい理由とは?
  • 劣化診断の流れや費用、依頼する業者選びのポイントについて知りたい!

マンションをはじめとする建物は経年による劣化が避けられませんが、劣化を放置すると建物自体の耐用年数が短くなってしまいます。

また次第に資産価値は低下してしまうため、定期的なメンテナンスが必要です。

メンテナンスの内容は多岐に渡りますが、まずは建物診断を行うのが一般的です。

そこでこの記事では、建物が劣化する原因や劣化診断の内容や費用などについて、詳しく解説していきます。

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建物劣化診断の目的は大規模修繕の時期決定

大規模修繕を行う前に建物診断を行えば、建物が劣化した箇所を特定でき、具体的な工事内容の検討や費用を把握しやすくなります。

また正確な現状をしっかり把握できるため、必要な工事だけを行うことで費用を抑えられます。

新築や前回の大規模修繕後にある程度の年数が経過したら、建物診断を検討しましょう。

以下に建物劣化診断の目的について詳しく解説します。

修繕の必要性の判断

建物劣化診断では、建物の各部位や設備の状態を詳細に調査します。

この調査結果により、以下の点を明確にします:

  • 緊急に対応が必要な箇所
  • 近い将来修繕が必要になる部位
  • 現時点では問題ない箇所

これらの情報を基に、修繕の優先順位を決定し、効率的な維持管理計画を立てることができます。

修繕工事の範囲決定

診断結果は、修繕工事の具体的な範囲を決める上で重要な役割を果たします。例えば、

  • 外壁全面の塗装が必要か、部分的な補修で十分か
  • 給排水管の交換が必要か、更生工事で対応可能か
  • 屋上防水の全面改修が必要か、部分補修で済むか

このように、診断結果を基に最適な工事範囲を決定することで、過剰な工事を避け、コストの最適化を図ることができます。

修繕費用の概算

建物劣化診断の結果は、修繕費用を見積もる上で重要な基礎資料となります。

診断により以下の点が明確になります:

  • 必要な工事の種類と規模
  • 使用する材料や工法の選択
  • 工事の難易度や特殊性

これらの情報を基に、より精度の高い修繕費用の概算を算出することができます。これにより、修繕積立金の見直しや資金計画の立案が可能になります。

長期修繕計画の見直し

建物劣化診断の結果は、長期修繕計画の策定や見直しに不可欠です。診断結果により

  • 各部位の劣化度合いと耐用年数の予測
  • 今後必要となる修繕工事の時期と内容
  • 修繕周期の適正化

などが可能になります。これにより、より現実的で効果的な長期修繕計画を立てることができます。

建物の長寿命化への貢献

適切な時期に必要な修繕を行うことで、建物の寿命を延ばすことができます。建物劣化診断は、

  • 早期の問題発見と対処
  • 予防保全の実施
  • 適切な改修時期の決定

を可能にし、建物の長寿命化に大きく貢献します。

居住者の安全確保

建物劣化診断は、建物の構造的な問題や潜在的な危険箇所を発見する機会にもなります。これにより、

  • 外壁や手すりの落下リスクの把握
  • 設備の故障や事故の予防
  • 耐震性能の確認

など、居住者の安全確保にも重要な役割を果たします。

このように、建物劣化診断は単に修繕時期を決定するだけでなく、建物の効果的な維持管理、コスト最適化、長寿命化、そして居住者の安全確保など、多岐にわたる目的を持っています。

定期的かつ適切な診断を実施することで、建物の価値を長期的に維持し、快適で安全な住環境を確保することができるのです。

建物劣化診断の適切なタイミング

建物劣化診断を適切なタイミングで実施することは、効果的な維持管理と修繕計画の立案に欠かせません。

以下に具体的なタイミングと理由について解説します。

築年数に応じた診断タイミング

建物の築年数に応じて、以下のようなタイミングで診断を行うことをおすすめします。

築年数診断タイミング理由
築5年初回診断初期不具合の確認と早期対応
築10年2回目の診断経年劣化の状況確認と大規模修繕の計画立案
築15年以降5年ごとの定期診断劣化進行の継続的な監視と修繕計画の見直し

大規模修繕工事前の診断

大規模修繕工事を計画する際は、以下のタイミングで診断を行うことが重要です。

診断タイミング内容
工事の2〜3年前修繕範囲と予算の概要決定
工事の1年前詳細な工事内容の確定
工事直前最終的な工事範囲の確認

これにより、適切な工事計画の立案と予算の最適化が可能になります。

特定の事象が発生した際の診断

以下のような事象が発生した場合は、速やかに診断を実施することをおすすめします。

  • 地震や台風などの自然災害後
  • 漏水や設備の不具合発生時
  • 外壁の剥落やひび割れの発見時
  • 居住者からの不具合報告が増加した時

これらの事象は建物の安全性や快適性に直接影響を与える可能性があるため、早急な対応が必要です。

法改正や技術革新に伴う診断

建築関連法規の改正や新技術の導入があった場合も、診断を検討すべきタイミングです。

  • 耐震基準の変更時
  • 省エネ基準の強化時
  • 新しい診断技術や修繕工法の登場時

これにより、最新の基準や技術に基づいた建物の評価と改善が可能になります。

不動産価値の維持・向上を目指す際の診断

建物の資産価値を維持・向上させたい場合も、適切なタイミングで診断を行うことが重要です。

  • 売却や賃貸を検討する際
  • リノベーションを計画する時
  • 用途変更を考えている時

診断結果を基に適切な改修や修繕を行うことで、不動産価値の向上につながります。

建物の劣化の種類

建物の劣化といっても、多くの種類があります。

また劣化してしまう原因も異なりますので、それぞれ解説します。

  • 物理的劣化
  • 機能的劣化
  • 社会的劣化
  • 外的要因による劣化
  • 人的要因による劣化
  • 施工不良による劣化

物理的劣化

コンクリートや鉄など、材料の劣化は物理的劣化と呼ばれています。

どのような材料にも耐用年数があり、劣化は避けられないです。

ある程度寿命を延ばすことはできますが、適切な建物診断を行って劣化状況をチェックする必要があるでしょう。

機能的劣化

機能的劣化は、最新の設備が発売されていくことで起こります。

旧式の設備は利便性や機能性が最新のものと比較すると劣って見えるため、資産価値を落とす原因になるでしょう。

主にエレベーターや給湯器などの機械が使われている箇所は、機能的劣化が起こりやすいです。

大規模修繕の際に新しい設備を導入すると、機能的劣化を改善できるでしょう。

社会的劣化

社会的な状況の変化で起こるのが、社会的劣化です。

例えば高齢化社会になるにつれ、バリアフリー化していない建物は使いにくくなるでしょう。

また少子化により、近年では部屋数が少なく一部屋あたりの面積が広い建物は人気があります。

このような社会的ニーズを満たすためには、大規模修繕・リフォーム・リノベーションが必要です。

人的要因による劣化

建物に住んで日常的に生活しているだけでも、劣化は進んでしまいます。

住民が手すりに触れるだけで、徐々に黒ずみや色褪せなども起こります。

また人の出入りが少ない箇所は劣化は進むので、定期的に劣化が起こっていないかチェックが必要です。

外的要因による劣化

風雨・紫外線・気温の変化は、建物に影響を与えてしまいます。

例えば手すりや階段などの鉄部は、空気中の酸素や水分の影響でサビが発生します。

また日当たりが悪い北側には湿気が溜まりやすく、劣化の原因になる結露やカビが発生しやすいです。

自然の中にも複合的な要因が多くあり、建物の劣化を進めてしまいます。

施工不良による劣化

施工の品質は、建物の寿命に大きく影響します。

いくら高品質な材料を使っても、施工の技術が伴っていなければ建物としての充分な機能を発揮できません。

建物の部位によって異なりますが、新築後または大規模修繕後の数年以内に不具合が発生した場合は、施工不良の可能性があります。

火災保険や住宅総合保険が適用され、無償で修繕できるケースもあります。

また施工不良が見つかった場合は、保証期間内であれば施工会社に状況を伝えましょう。

建物に起こる具体的な劣化症状

建物の劣化といっても、場所によってさまざまな状態が現れます。

劣化の症状を見れば、建物がどのような影響を受けているのか判断できます。

  • コンクリートのひび割れ
  • 外壁タイルの剥落
  • 外壁塗装の劣化
  • 屋上防水の劣化
  • 金属部分のサビ

コンクリートのひび割れ

コンクリートは、温度変化・乾燥・地震・施工不良などが原因でひび割れを起こします。

外壁が劣化を起こした部分から雨水が入り込むと、雨漏りが起こる可能性があります。

早めの修繕が必要なケースも多いですが、0.3mm以下のひび割れは修繕が不要なことも多いです。

外壁タイルの剥落

外壁のタイルは、砂・セメント・水でできたモルタルによって貼り付けられています。

しかし経年劣化や地震などにより、徐々にモルタルと外壁タイルの接着力が弱まります。

劣初期症状としてはタイルの浮きが発生しますが、劣化が進むと剥落してしまうでしょう。

通行人や車に当たる恐れがありますので、打診調査によって確認して補修を行います。

外壁塗装の劣化

外壁塗装は風雨や紫外線などで劣化していくので、10年に一度くらいの頻度で再塗装が必要です。

塗膜のひび割れ・膨れ・剥がれなどを放置すると、劣化部分から雨水が入り込んでしまいます。

また外壁に手で触った際、手に白い粉が付く「チョーキング現象」は劣化のサインです。

この症状が出ている場合は、外壁の再塗装を検討する時期といえるでしょう。

屋上防水の劣化

マンションの屋上は平らであることが多く、雨水が溜まりやすいです。

そこでシート防水やアスファルト防水などの防水工事を行い、雨水から建物を守ります。

しかし防水層が劣化すると雨水が侵入してしまうため、屋上の防水に関するメンテナンスは定期的に必要です。

金属部分のサビ

金属部分の多くは塗装を施していますが、塗膜が劣化することでサビが発生します。

そのため定期的に塗り直す必要があり、すでにサビが発生している場合はサビを削り落してから塗装を施します。

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建物診断を進める流れ

  1. STEP

    建物診断の依頼

    建物診断を行っている施工会社・管理会社・コンサルタント会社などに相談し、依頼する会社を決定したら打ち合わせを行います。

  2. STEP

    事前準備

    設計図面・建物情報・過去の修繕履歴などのチェックを行い、マンション住民へのアンケートを実施します。

  3. STEP

    現地調査

    アンケートの内容を踏まえたうえで、さまざまな箇所を目視、触診、打診などの方法で細かくチェックし、建物の不具合を見つけます。

    必要に応じて、特殊な機器を使った調査も行います。

  4. STEP

    報告書の作成と確認

    劣化の範囲や進行具合、大規模修繕が必要な時期などを確認します。

    この報告書を基に、大規模修繕の計画を立案し、修繕の優先順位、予算、工事内容、スケジュールなどを検討します。

  5. STEP

    大規模修繕の実施

    工事の進捗状況を管理しながら品質を確保します。

このようなステップを踏むことで、建物診断から大規模修繕工事までを円滑に進めることができます。

建物診断は無料でできる?

依頼先にもよりますが、建物診断は無料でも対応してもらえます。

ただし無料診断であると、目視や打診による簡易的な項目のみの調査が中心であり、コンクリートや配管の内部までは調査しません。

詳細な調査を行いたい場合は、費用を払って診断を依頼しましょう。

また有料診断では、専用の機器を使ってコンクリートの中性化試験や表面塗膜引張力試験などを受けられます。

専門性が高く詳細な検査を受けることで、大規模修繕の計画をより明確に立てられるでしょう。

有料診断の費用

有料診断でかかる費用はマンションの規模によって異なります。有料診断の費用は以下のとおりです。

マンションの規模費用目安
小規模マンション
(30戸以下)
20~40万円
中規模マンション
(50~100戸)
30~80万円
大規模マンション
(200戸以上)
50~100万円

木造と鉄骨造の違い・劣化状況・建物の面積などによっても費用は変わります。

また追加費用を払えば、建物診断時に耐震診断を依頼できる場合もあります。

鉄筋コンクリートの建物であれば、1平方メートルあたり1,000~2,500円ほどの費用がかかるでしょう。

建物診断は必須ではありませんが、老朽化したマンションや予算に余裕がある場合に検討しても良いでしょう。

建物診断を依頼できる業者と選定方法

建物診断は、どのようなところに依頼すれば良いのでしょうか?

また、選定方法がわからない方に向けて、下記にて解説します。

建物診断の依頼先

施工会社・管理会社・コンサルタント会社・一級建築士事務所など、大規模修繕に関する知識や資格を持つ専門家に依頼できます。

また専門の機器を導入してより詳細な建物診断を行っているところもありますので、確認しながら選定しましょう。

依頼先の選定方法

建物診断の依頼先は、大規模修繕工事をどのように進めるかで決まります。

そのため、主に下記の2つの方式が一般的です。

設計・施工方式

大規模修繕工事に関わる建物診断だけではなく、設計から施工まで全て一貫して任せる方法

設計・監理方式

建物診断や修繕設計を大規模修繕の施工とは異なる専門家に依頼し、第三者として設計通りに施工が実施されているかをチェックしてもらう方法

ほかにも、管理組合や大規模修繕委員会のなかで建築やリフォームの専門家がいる場合は、費用を抑えながら調査を行うことも可能です。

しかし、この場合は1人の責任が大きくなってしまうため、専門家に依頼すると良いでしょう。

まとめ

建物が劣化する原因をはじめ、劣化診断の内容や費用などについて紹介しました。

  • 建物の劣化には「物理的劣化」「社会的劣化」「人的要因による劣化」などの種類がある
  • 工事後数年以内に建物に不具合が発生した場合は、施工不良の疑いがある
  • コンクリートひび割れや外壁タイルの剥落などの劣化症状が起こる
  • 建物診断を行うと大規模修繕の計画が立てやすくなり、費用負担の軽減にもつながる
  • 建物診断は無料でも対応してもらえるが、簡易的な調査のみ
  • 有料診断はマンションの規模に合わせて20~100万円程度かかる
  • 施工会社・管理会社・コンサルタント会社・一級建築士事務所などに建物診断を依頼できる
  • 建物診断を依頼する会社の選定方法には2種類ある

建物診断には費用がかかるものの、より正確な大規模修繕の準備を行うために重要な工程でもあります。

マンションの大規模修繕をお考えであれば、計画的に依頼先の選定から始めてみましょう。

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  • 外壁塗装
  • 屋根工事
  • シーリング工事
  • 長尺シート工事
  • 下地補修工事
  • 足場工事
  • タイル工事
  • 洗浄工事
  • 電気、水道、外溝工事等

大きな強みは「自社で完結」

施工価格と見積りには絶対的な自信を持っていますので、他社との相見積りも大歓迎です。

ご予算と現場調査の結果、長期的な視点での資産価値向上をバランスよく考慮し、お客様にとってベストな選択肢をご提案します。

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